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ほとんど知られていないアートの見方【連載】広告代理店の現役アートディレクターが語る

中村征士 中村征士


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半年ほど前に、京都にある美術大学で面白い講座を受けました。とても興味深い内容で、世の中を見る目が変わってしまうような体験をしました。その体験を通して、これからの義務教育の美術の授業が変わっていくべきだと思いました。アートの見方を体得するだけで、世の中のものが違ってみえることが分かったからです。

アートの見方を学んでいない

ふつうの人が美術館でひとつの作品を観る時間は、平均10秒くらいだそうです。そして、解説を読んでいる時間の方がずっと長いそうです。解説を読んで、時代背景とか作品が作られたときの作者の状況などをぼんやり想像している。実際は作品を観ていないに等しいんです。そんな、何となく作品を観ている気になっているという姿勢を変えるのが、その講座の目的だと感じました。

その講座は学生を中心に行われていて、アートを介してコミュニケーションをしようというテーマで活動しています。20人くらいのグループをつくり、プロジェクターで映し出された作品を見て意見の交換をするというシンプルな鑑賞会でした。

まずはじっくり作品を観る→考える→話す→聴く、のくりかえしです。1作品の鑑賞を30分で行ないます。このサイクルの中で一番重要なのは「観る」という行為でした。ただ「見る」のではなく「(なにかをみつけるために)観る」のです。この“何かをみつけるために”がポイントです。

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