アイデアやデザインを考えるとき道具が何であろうと関係ないと思ったりしませんか。シャーペンで描こうと、ぶっといサインペンで描こうと、出てくるアイデアは同じなのではないか? なんて。僕はちょっと違うんじゃないか、と思います。
まず、スピードが全然違います。思考を広げるときには爪のサイズくらいでスケッチを描いた方が次々進めていけるから細いペンの方が合っています。でも、アイデアを言語化してコンセプトを固めるときには細いペンでは何だか弱く見えてしまう。
今回は、そんな道具とアウトプットの関係について書いてみたい思います。
僕のこだわりの道具はペンです
僕は、細くて小さな文字を書けるペンと、中くらいの太さのサインペンを使って仕事をしています。たまに極太のペンを使うことがありますけど、だいたい細いのと中くらいのやつで仕事をするスタイルに落ち着きました。
細いペン
まず、クライアントからの情報を取るときに細いペンで小さな文字でメモをとります。その情報から自分のアイデアを広げる段階も、A4の紙に小さな文字でちまちま書いていきます。ちまちまさせる理由は一目で思考の流れを見渡せる気がするからです。
中くらいのサインペン
主に企画書の組み立てをするときに使います。同時に大まかなラフスケッチを描いて発注したりします。
僕はだいたいこの2本のペンで、メーカーもほとんど変えずに仕事をしていました。
ところが、ある記事を読んで少し考え方を変えました。ある超有名なアートディレクターの下で働いていたデザイナーの言葉がとても印象的だったのです。そのデザイナーは、有名アートディレクターのアドバイスは具体的でとてもよかった、とふりかえっていて、デザインのディテールの修正を求めたときに、とても細い線が引けるペン、たとえば0.3ミリくらいのシャーペンを使って繊細な指示を出していたというのです。僕はそれまで、ざっくりイメージを伝えて修正を何度か繰り返してもらっていました。キチンと線を引いて見せる、そういうやり方もあるのか、そこまでやるのか、と手間を惜しんでいたことを反省して、なるべく具体的にカタチにする細いペンを取り入れました。
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