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引っ越します、って言えなくて【連載】松尾英里子のウラオモテ

松尾英里子 松尾英里子


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3月に引っ越しすることになった。いや、そう決めたのは私たち夫婦なのだから、引っ越しすることに「なった」ではなく「した」と言うのが、正しい日本語かもしれない。もちろん急に決めたわけではない。子どもが小学校に入学する前に、ある程度の長期間暮らす場所を決めたいという思いがあって、ここ2年くらい、ずっと物件を探しての結果だ。それがようやく決着したのである。

でも、だとしたら、もう少し晴れやかな気持ちだったり、新居で始まる生活への期待があってもよさそうだ。それがいま、とてもモヤモヤしているのだ。

家そのものに対する不安不満は一切ない。仮にあったら、引っ越しなどしない。

まずあるのは、子どもたちにとって本当によい決断だったのかという、答えのない問いだ。せっかく慣れて楽しく通っている幼稚園、仲良くなれた友達や、大好きな先生、すべてとお別れをして、また生活をリセットさせること・・・これは、大変なエネルギーを必要とする。環境の変化を脳で理解するのは、幼児にはまだ無理なことだし、息子には大きなストレスをかけることになるだろう。せめて息子が幼稚園を卒園するタイミングまで引っ越しを遅らせられなかったのか、とか、転園する必要のないところに引っ越せなかったのか、など、思うところは様々ある。でも、すべてに優先順位をつけ、よりベターな選択をしての結果が今なのだ。だから、もうくよくよ悩んでも仕方ない。結果的にこれでよかったんだと思えるように自分で変えていくんだ、と言い聞かせることにする。

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