広告用語で「浦島太郎」を読んでみた

西島知宏 西島知宏

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むかしむかしあるところに、変な話浦島太郎という漁師が母親と二人でNDAを交わさずに暮らしていました。

ある花金のこと、浦島太郎が海辺で企画に煮詰まっていると、撮影の合間に子役たちが、どこの動物プロダクションに所属しているかわからない亀に強烈なパワハラを実施しているのをブラウズしました。

「それはない」と思った浦島太郎は子供たちを完全に仕切り、亀を海に直帰させてあげました。

翌日、浦島太郎が舟に乗り、海のabove the lineでコピーを考えていると、below the lineから亀が顔をインプレッションさせました。
「企画とか全然そういうんじゃないんですが、竜宮城行きません?」
「基本OKです」

亀の提案内容に担当者レベルでOKを出した浦島太郎は水筒のGPSをオンにし、亀をフォローしました。亀は背中の浦島太郎にPPM資料を見せながらこうプレゼンしました。
「弊社の女社長からあなたを午後イチまでにコーディネーションするように仰せつかりました」
「競合ですか?」
「いえ、指名です」
「恐縮です」

さて、「KM」と書かれた亀の背中に乗り、浦島太郎は海のボトムへ何とか着地しました。すると、うっすら電通ビルのようなフォルムの城が姿を現しました。一番上には「COMMUNICATIONS EXCELLENCE RYUGU」と書かれていました。

「ようこそ浦島太郎さん。私が社長の乙姫です」
亀の下手から女性が名刺を差し出します。
「あると思います」
心の中で浦島太郎はそうモノローグしました。

浦島太郎は、乙姫社長の想定外の強いシズル、タイとヒラメの美し過ぎるコリオグラフに「ここは熊本か?」とオンリップしてしまいました。
「竜宮城です。蒼き城ではありません」乙姫社長がそう優しく教えてくれました。

浦島太郎はすっかり香盤を忘れ、気がつくと三日が過ぎていました。
ホワイトボードの行き先漏れを思い出した浦島太郎は、いよいよ打ち上げる事を決裁します。
「3dayもアゴアシマクラを頂き、有り難うございました。そろそろ戻らないとコンプライアンス違反になります」
「リスケできませんか?」
「仁義的に無理です」
「なるほど」

帰り際、乙姫社長は浦島に小さな箱形のノベルティを手渡しました。
「もし困った事があったら明治製菓のCMのように「OPEN!」と言って、この箱を開けて下さい」
「わかります」

タクチケをもらい「KM」と書かれた亀に乗ってATLに戻った浦島太郎でしたが、どうしたことか自分の家もお母さんも404 Not Foundでした。

通りすがりのM3らしき老人に「浦島の家を知りませんか」と尋ねるとM3老人は首を傾げてナレーションしました。「浦島? ああ、確か浦島という人なら300年前に海へ出張に出たきりNRだそうですよ。Wikipediaに書いてありました」

浦島太郎は途方にくれ「OPEN!」と言って玉手箱を開けました。
すると、箱のインナーから白いスモークがアウトプットされ、結論から言うと浦島太郎はおじいさんになってしまいましたとさ。

おしまい。

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