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飛ぶ鳥を落として唐揚げにしているクリエイター訪問(1)「かっぴー」編

街クリ編集部 街クリ編集部


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街クリ編集長西島と編集部員小野が、完全なる勝ち組クリエイティブ企業に伺う「飛ぶ鳥を落としてマウンティングしている企業訪問」のスピンオフ企画「飛ぶ鳥を落として唐揚げにしているクリエイター訪問」。2度目があるかはわかりませんが、第1回目は、昨年9月に流星のごとく現れ、ネットに掲載されたWEB漫画『 SNSポリス』で一躍名を馳せた漫画家のかっぴーさんです。

かっぴー(伊藤・大輔)
漫画家
1985年神奈川生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、大手広告会社のアートディレクターとして働く。その後、企画だけがやりたいと面白法人カヤックのプランナーに転職。2015年9月にnoteに掲載した『フェイスブックポリス』で大反響を呼び、その後漫画家として独立し株式会社なつやすみを設立。広告業界をはじめ様々なシーンの「あるある」で共感を呼び、現在は『バズマン。』(週刊SPA!)や『左ききのエレン』(cakes)など多くの漫画を連載している。

小野里夏(以下、小野) 本日は宜しくお願いします!

かっぴー いえいえ、こちらこそ。タイトルいいですね。僕も、何かの漫画で「飛ぶ鳥を落としに落として手羽先屋を開く」みたいなネタ描きました(笑)。

幼少期から現在に至るまで

小野 それではまず、かっぴーさんのルーツをお伺いします。かっぴーさんの小さい頃の夢は何だったんですか?

かっぴー いっちばん最初は漫画家ですね。でも絵を描きたいというか話を見てもらいたくて。とにかく話を作るのが好きだったんですよね。それから映画にハマったりしていくうちに、脚本家とか原作者っていうものがあることを知ったんです。自分がなりたいのってコレだなって思いました。今でもそうですが、画力にもアウトプットにも興味がなかったんです。

小野 その頃好きだった漫画とかってありますか?

かっぴー 『カンニンGOOD』かな。ギャグ漫画で、ただひたすらカンニングをするっていう漫画なんですけど(笑)。ギャグっていうより、ハラハラどきどきな過程が好きで。ちょっと前だと『デスノート』とかもハラハラして大好きです。

小野 その後、高校時代に自分が天才ではないことに気付いたとのことだったんですけど、何か特定の出来事が?

かっぴー 今描いている『左ききのエレン』っていう漫画があるんですが、その漫画に登場する絵の天才エレンのモデルになった人がいたんですよね。その人の絵を見たときに、自分は凡人だなと。自分は絵では芽が出ないと思いましたね。

小野 それからどういう経緯でデザイナーになられたんですか?

かっぴー 高校二年の時にデザイナーになろうって決めたんです。高校は英語に特化している学校だったんですけど、僕は英語ができなくて。じゃあ、自分の尖っているものは何だと思ったときに、自分は美術だなと感じて美大に行こうと決めました。この頃はまだ絵が上手いと勘違いしてました。

小野 「自分は美術だ」と確信した出来事があったんですか?

かっぴー 高校時代にめっちゃ仲が悪い奴がいたんですよ。お互い大嫌いで。でも面白いことに、僕がデザインした文化祭のTシャツを文化祭が終わっても、ずっと着てるんですよね。僕が作ったって分かってるのに。その時に、良いデザインには物事の背景は関係ないんだって思ったんです。

小野 それが、デザイナーを志す最初のきっかけになったんですね。

かっぴー そうですね。当時は広告代理店ってなんですか? 旅行代理店ですか? っていう感じだったんですけど(笑)。

小野 大学時代は何を学ばれてたんですか?

かっぴー 視覚伝達デザイン学科でした。PCはほとんど使わずに、考え方のトレーニングみたいな授業が多かったです。代理店にいるアートディレクターは9割ぐらい僕と同じ様な学科の卒業生だと思います。

小野 かっぴーさん、デッサンとかもバリバリなんですか?

かっぴー デザインの基本ですから受験の時はちゃんと描いてましたよ(笑)。イラストレーションとか油絵、彫刻だとしても、元を辿ればデッサンにたどり着くんですよ。

小野 なるほど。デッサンを踏まえて個性に発展していくんですね。

かっぴー そうです。逆に言えば、受験の場合は作家性が強いのは駄目なんですよ。基本がなってないって思われる。

小野 大学卒業後、広告代理店に進まれたんですよね。

かっぴー そうです。でも6年目とかに辞めました。

小野 広告は天職とは感じなかったんでしょうか。

かっぴー ダメだダメだって言われていたので(笑)。中途半端だったんですよね。能力が足りなかったんだと思います。デザイナーとして採用されたんですけど、デザインはしたくなかったし下手だった。アウトプットに興味がなかったんです。プランナーになりたかったんですけど、当時の会社にはその職種がなくて。最後の方はコピーライターとかCMプランナーの真似事もしてました。コピーとか絵コンテが意外と好評で、「俺って企画職の方が合ってる? そしたらなんで美大に行ったんだ・・・?」ってもう迷走ですよね。そこで、社会人5年目にして自分のやりたい事を一旦整理しようと思ったんです。企画がやりたい。アウトプットは誰かにやって欲しい。プランナーになりたい、と自己分析して転職を決めました。

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