『スレイヤーズ』の呪文を英語で唱えたい!【連載】トイアンナの超人気マンガ英語塾

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こんにちは、トイアンナです。有名な漫画作品から名言をピックアップして英訳し、語学を学びながらあの頃をもう一度する本シリーズ。前回『BLEACH』で作者のポエムを英訳したところご好評いただいて、気付いちゃいました。

もしかしてみんな、自分が中二だったあのころ夢中になったセリフを「声に出して読みたい」のではないでしょうか?

そこで今回は、1970年代から90年代生まれのアニメファンへヒアリング。若かった当時つい詠唱してしまったあの恥ずかしい呪文をピックアップして英訳します。英語も青春も併せてあなたの中学時代を思い出してください!

スレイヤーズより『ドラグスレイブ』

アニメブームの火付け役となった名作『スレイヤーズ』。原作は2,000万部以上の発行部数を記録したライトノベルで「ドラゴンもまたいで通る」と有名な自称・剣士にして美少女天才魔道士。人間が扱える最高の魔法「ドラグスレイブ(竜破斬)」を使いこなします。

アニメで「必殺! ▲▲▲▲▲!」みたいな決めの叫びは今まであったものの、これだけ長い呪文を決め技として定着させたのはスレイヤーズからでしょうか。主人公であるリナの声優を担当した林原めぐみさんについてオタクの友人へ質問すると「今いる全ての声優を足してようやく対等に戦えるくらい、当時すごかった」とのことで、中の人もどうやら最強のようです。

さて、そのセリフがこちら。

黄昏よりも暗き存在もの、血の流れよりも赤き存在存在もの
時間ときの流れに埋もれし偉大なる汝の名において、
我ここに闇に誓わん、我らが前に立ち塞がりし
全ての愚かなるものに、我と汝が力もて、等しく滅びを与えんことを!
引用:(原作)神坂一 (イラスト)あらいずみるい(1989年)『スレイヤーズ』 富士見書房

Darker than the dusk, redder than the blood.
I swear to the darkness,
for thy great name buried in time flow,
We give the doom equally to all fools,
who are standing in front of us!

★ 超訳英語のポイント

○ redder(~より赤い)

「~より▲▲」を表現するときは、形容詞にerをつけましょう。長い形容詞は「more ▲▲」と書きましょう。ここまでは中学英語で習ったと思います。にしても、「red(赤い)」まで比較級で表現できるのって、意外ではありませんか?

このように今までに使ったことがない形容詞を比較級にしたいとき、moreなのかerなのか悩んだら「形容詞の中に a, i, u, e, oの母音がいくつあるか」数えてみてください。私の経験則からですが、形容詞に母音が3つ以上あれば99%「more ▲▲」になり、そうでなければ er を語尾につけます。

ここで例を見てみましょう。

important → more important(~より重要な:母音が3つ)

silly → sillier(~よりおバカな:母音が1つ)
※ もとの単語がyで終わるときは、y を i へ変えて er をつけるルールがあったことを中学校の記憶から呼び起こしてください。ああ、英語文法面倒くさっ。

○ thy(汝の)

呪文に欠かせない、古語英語。声に出して読むときは「think」のthを意識して「th+イ」として読んでください。無理な人は「サイ」でいいです。

○ great(偉大な)

偉大さを表す呪文は、褒め殺しが多い英語ならではの文化が影響しているのが多くの単語があります。いくつかここで比較してみましょう。

①amazing:最もよく使われる「素晴らしい」と言う意味の言葉。「神の素晴らしさ」を表すときに賛美歌にもよく採用されるので、呪文に適している。

②magnificent:通常「偉大な」という単語を訳せといわれたら選ぶべき単語。仰々しい物言いなので、中2感を醸したいならうってつけの単語。

③great:「すごい」に近いかなりカジュアルな言葉。日常会話から、Alexander the Great(アレクサンダー「大」王)のように歴史にまで使えてしまう汎用性の高さが魅力的。でもこればっかり英会話で連発する人はアホに見える。

本来であれば最強の魔法呪文であるドラグスレイブに、①amazing か②magnificent を使うべきところをなぜ great を採用したか。それは「音読しやすさ」です。

呪文を唱える上で大切なのは「噛まない」こと。いくらカッコイいい呪文でも「黄昏よりも暗き存在(そんざい)、血の流れよりも赤き存在(そんざい)」と普通の音読をしていたら響きが悪くなります。だからこそ本体のドラグスレイブでも「黄昏よりも暗き存在(もの)、血の流れよりも赤き存在(もの)」と”存在”の読みを変えることで簡単な詠唱を可能にしています。

英語は残念ながら、音をそのまま文字にする言語です。日本語と違ってカッチョいい漢字に変なルビを振ることは不可能。であれば、声に出してスラスラ読めるほうが大切と判断して great を採用しました。簡単な英語を使ってしまうと中2感が少し減ってしまいますが、本家賛美歌でも「Great is the Lord(偉大とは主のことなり)」という曲もあるので許してください。

おわりに&次回予告

ここまで『スレイヤーズ』が持つ魅力のひとつである、呼んでカッコいい・後から恥ずかしい呪文詠唱を英語でお届けしてまいりました。次回は1980年代生まれの皆さまへヒアリング! 「記憶に残ったあの呪文」を声に出して読めるようサポートいたします!

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