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「レディ・バード」夢のような、つうか、思い出の空間

加藤広大 加藤広大


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「レディ・バード」における「名前」と「幸せ」

さて、冒頭でも書いたが、本作は「名前」と「幸せ」についての話である。

クリスティンは自分のことを「レディ・バード」と呼び、周りにも強要する。本名が書かれた書面などがあれば、わざわざ訂正するほどの執拗さだ。

後半、彼女はついに教育機関からも親からも、公式にレディ・バードと呼ばれるようになる。母親は、自分の手から巣立ってしまった彼女をレディ・バードと呼ぶ。この葛藤はいかほどか。

劇中、クリスティンと周りの人々は、少しずつレディ・バードに対する意識を変えていく。クリスティンに対する呼び方も変わったり、戻ったりする。この過程は本当に丁寧に描かれる。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/06/7030999a8984829ece5588396e96ebb4-e1528887600619.jpg出典:IMDb

私たちは、普段「名前」について真剣に考えることはない。
2002年から時計の針を進めて2018年の今、誰もがTwitterで自分の考えた名前をつけ、呟いているのがその証左だろう。

クリスティンはレディ・バードについて「私が自分につけた名前です」と語る。「私が、自分に、つけた、名前」2018年の今、この言葉の重みはヤバい。

クリスティンがレディ・バードとどう折り合いを付けるかはネタバレになるので控えるが、名前に関して、これだけ明解かつ深く考えさせられる映画はそうそう無いだろう。

もうひとつのキーワードである「幸せ」に関してだが、ポジティブ心理学者の提唱者の1人、マーティン・セリグマンによれば、幸福には以下の3つのタイプがあるという。

快楽の人生
夢中を追求する人生
意味のある人生

このなかで、最も強い満足感と持続をもたらすものは、「意味のある人生」であるそうだ。

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