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ものまね界に激震!!「アイ, トーニャ」 に会いたいにゃ!

シーズン野田 シーズン野田


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新たなものまね四天王

そんな本気度マックスのマーゴット・ロビーはアカデミー主演女優賞にノミネートされるほど素晴らしいのですが、本作で最大の存在感を発揮したのがトーニャの母、ラヴォナを演じたアリソン・ジャネイではないかと思います。彼女は見事この役でアカデミー助演女優賞に輝いています。

出典:IMDb

いわゆる毒母です。ファックだのピーだのを誰かれ構わず言うので毒母というか毒人間か。ハーディングに虐待を繰り返しつつ、ハーディングのスケートの才能にいち早く気がついた人物。

となると元をたどれば「ケリガン襲撃事件」は、この母が引き起こした事件である。とも言えなくもないが、そんなことを言ったら人間の争いは全て人間を作った神の仕業か。キリがない。

とにかく恐ろしい母親で、目つきがやばいです。意志の強そうな薄い唇と変な髪型が彼女のヤバさをさらに際立たせ、彼女が遠くから見てるだけでゾッとします。

<突然うちに遊びに来ても、家には上げずに追い返す人ランキング>の2位にランクインです。ちなみに1位はマイケルジャクソンです。

どこかで映画的な親子の愛を期待してる自分がいるのですが、そう言った隙をほとんど与えてはくれません。与えてくれた! と思った瞬間、ハーディングとともに裏切られる! 
「母親はみんな良い母親じゃなきゃいけないのかい? 」

出典:IMDb

他にも、ジェフを演じているセバスチャン・スタンの軽薄な顔と頭が悪そうなクズっぷりも注目で、DV男あるあるとしても完璧な映画になっています。

突然殴るのでびっくりします。まるで北野映画です。ここまで女性をボコスカ殴るってどういう神経してるのでしょうか? と思いながらも、ハーディングのキャリアを奪ってしまったという罪悪感を露するインタビューシーンでは許してしまいそうになるのですが、これこそまさにDV男の手口!! 

出典:IMDb

そして、この映画の逆ジャイアンことおデブのショーン。彼はハーディングに「童貞やろう! 」とクソみたいにバカにされています。ほとんど病気の域で妄言を吐き、今回の事件を引き起こすのだけれど、そうでもしなければ己の尊厳を守ることができなかったのかと考えると、とても悲しい存在です。

とはいえ本作一のクズだと思います。いや、映画の中だけに止まらず、世界で一番クズなのではと思うほどにクズ野郎です。
こういう実録ものって、何かおかしいことや映画的に不自然なことがあっても「まぁ本当の話だから」という妙に自分を説得させる節があったりするのですが(グレイテストショーマンしかり)、この物語は登場人物そのものが誰も彼も魅力的で、どんなにバカな展開でもこいつだったらこういうことしそうだな、と思ってしまう説得力があります。

そのくらい役者の熱演が輝かしいのですが、だからこそ最後の最後、エンドクレジットではびっくりしました。実話物ではたまにある「本人の映像を流す」という演出が段違いに面白いのです。
これ、似すぎだろ! と。

妄想癖をインタビューで突っ込まれるおデブのショーンのシーン、地元のヤンキー感丸出しのジェフ、役者も本人も肩に鳥を乗っけてインタビューを受けてたラヴォナ・・・実はちょっとバカにしてない? 

出典:IMDb

コロッケや神無月やミラクルひかるといった面白ものまねに見られるデフォルメに近いものを感じました。ここまでくると、ものまね王座決定戦でよくある「終わったと思ったら本人登場」となんら変わりません。

そっちがほぼメインじゃないのかというくらい、ドラマ部分がフリのように感じました。これってもしかして、ものまね王座の新しい形なのではないでしょうか? 2時間たっぷりものまねドラマを見せた後に、本人を登場させる。コロッケ主演で、そんな映画があったらいいなぁなんて思ってたら、こんな映画を発見しました。

Reference:YouTube

「ゆずりは」という映画で、コロッケ本名の滝川広志として映画初主演した作品で、完全にものまねを封印しているようです。なぜ・・・なぜ封印した??

「アイ,トーニャ」面白かったのですが、もう上映館が少なく東京じゃほとんどやってないので、よろしければ「ゆずりは」の方をごらんください。ちょうどやっています。

ジャッキーチェンがエンドロールでNG集を流したり、マーベルの映画がエンドロールあとで次回作を匂わせるシーンを付け足したりと本編後にオマケを付ける映画がありますが、そんな中でも本作のパンチにかなうものはありません。

多少ネタバレになってしまった感はありますが、それに触れないわけにはいきませんでした。
ということで、スタッフの皆様おつかれさまです。

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