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「犬ヶ島」圧倒的情報量に完敗。グラフィックデザイナーが観た「デザイン」の凄み

加藤広大 加藤広大


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とはいえ、ちょっとだけ長い気もするが、おそらくそれは自分のせい

あくまで一回しか観ていないので結論は出せないのだが、現時点で唯一弱点を挙げるとするならば、「少々長く感じる」ということである。

個人的には実写版のウェス・アンダーソンがストップモーションにも表出してしまっている印象で、(居心地はよいが)少しだけ中弛みナカダルを感じてしまった。

とはいえ、観ているこちらが最近は、やれ「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」だの「レディ・プレイヤー1」だの、「パフィシックリム:アップライジング」といった作品ばかり観ていたので、頭のなかでテンポ感覚が狂っている。おそらく、これが長いと感じてしまった理由だろう。

さてさて、「犬ヶ島」は、とくに日本人にとって、膨大なまでの記号が登場する。次々と目に飛び込む圧倒的な情報量に圧倒されながらも、画面に映し出されているのは、紛れもないウェス・アンダーソン的世界である。

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/06/b1f1b9523b291db51fcfbb30981a1df3-e1528063671140.jpg出典:IMDb

映画には、どこを切り取っても「一枚の写真として成立する」作品がある。私が今まで観たなかで、最も優れた「写真的」作品は「ストレンジャー・ザン・パラダイス」だが、「犬ヶ島」もまた、並びうる一本だと思う。

1回だけ観ても面白い、たぶん100回観ても面白い映画だ。「そもそもパペットやストップモーションを観ると蕁麻疹が出る」「ウェス・アンダーソン作品が本当に嫌い」という人以外には、自信をもっておすすめできる。もちろん、あなたが犬派でなく猫派だとしてもだ。機会があればぜひ、劇場でご覧いただきたい。

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