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「レディ・プレイヤー1」お前がガンダムなら、俺はJDで行く!

加藤広大 加藤広大


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ところで、オアシスって行ってみたいと思いました?それともクソゲーだと思いました?

オアシスは何でもできる仮想現実世界として存在しているが、人口の大半が参加しているゲームって本当に面白いのだろうか。果たして、その世界でオタクに居場所はあるのだろうか。

誰も彼もがインターネットに接続するようになって世の中は面白くなっただろうか、それとも、窮屈になっただろうか。SNSで人は幸せになっただろうか。

たぶん最初は楽しいと思う。オタクがこぞって参加するβテストではさまざまな意見が交換され盛り上がり、正式リリース後もしばらくは前人未到の世界が広がっていることだろう。

レディプレイヤーワン-03出典:IMDb

しかし、オアシスの人気は徐々に高まるにつれ、オタクだけでなくリア充が参加し、やがて近所のオバちゃんやオッサンも没頭しはじめる。仮想現実がより現実世界に近づいて行き、オタクの居場所はなくなっていく。

金になると見込んだ企業はこぞってオアシスに資本を投下しはじめ、やがてチェーン店しかなくなった恵比寿の飲み屋街のようになる。私たちはそんな光景を、巨大掲示板やSNSで散々見てきたはずである。

そのうち荒野の学級委員長みたいな奴が大量に出現し、自分が居心地のよい世界を実現させるために「PvPは命を軽視してる!」とか、「そのアバターは性的すぎると思います! 」とか、「こいつはこんな酷いことをしました! 拡散してください」など、ありとあらゆる不満と規制を求めて叫びはじめるはずだ。

レディプレイヤーワン-04出典:IMDb

そうなったオアシスは、もはや現実世界と何も変わらない不自由なクソゲーである。

私たちは、オアシスのような世界は決して存在し得ないことを既に知っている。だからこそ、牧歌的とも言える世界観の温さは心を撃つ。

「いいなあ、こんな世界行ってみたいなあ」つって、映画館のシートに沈み込みながら非現実の世界を眺める。これもまた、サウダージを高めるための仕掛けである。

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