ちゃんとすればいいってもんじゃないが、ちゃんとしたい自分がいたりして。
この映画のテーマは「ちゃん」です。
「ちゃん」とすることの困難さを描いています。イチゴの恋人である狼男のジンは「ちゃん」とすることができず、浮気を重ねます。イチゴもまた、ジンと「ちゃん」と向き合うことができず、キスもしていません。本当に好きな人とキスをすると「魔力」がなくなってしまうからです。「ちゃん」とすることが怖い二人。
「ちゃん」とするにはそれ相当の葛藤や何かを捨てる勇気、幸せになる勇気、嫌われる勇気が必要です。
そう潔さと諦めです。
でもだからといって、物語の中で、唯一「ちゃん」と告白をする男の恋は実りません。「ちゃん」とすれば良いってもんでもないのです。
出典:the imgrum
まさに<ケータイで映画を撮る>ことに繋がりますが、「ちゃん」とすれば良いってものではありません。でも「ちゃん」としたい自分がいます。それはかつて映画という夢が見せた魔法だとすれば、酒井監督は自らその魔法を解きほぐし、新たな夢をこしらえました。
チチンプイプイ、ケータイで「ちゃん」と映画を撮ることができるんだぜ?
映画を撮ることで映画を語るような作品に出会うと嬉しい気持ちになります。そんな映画とは一体なんなのだろうかと考えさせる「ちゃん」とした映画でした。
「ちゃん」がゲシュタルト崩壊し始めたのでこの辺にしておきますが、「ウィッチ・フウィッチ」が、ただの足がかりなのか、それとも答えなのか。今後の酒井監督の活動にますます注目です!!!
まぁスティーブン・ソダーバーグ監督も最近スマホで映画撮ったらしいし、今後この流れはますます加速することでしょう。
いろんな煩わしさから解放されつつあるコンテンツ作りにおいて、やり方や技術ではなくアプローチこそが重要である・・・というこんなまとめ方で果たしていいのでしょうか。
映画を語るのではなく、映画を撮ることで自分も映画を語りたいと思います。
スタッフの皆さん、お疲れ様です!