いい人がゆえに、信頼関係を築きにくい謎
とはいえ仕事ですので、仕事の目的を見誤っては元も子もありません。
しかしディレクターのことを本当に「優しくて良い人間」だと知っている上で、業務を遂行しようと頑張ると、だんだん変な方向に向かってしまうことがあります。
優しいディレクターは相手にいい顔をしすぎてしまうため、やりとりをしているこちらも「腹の底で何を考えているのかが分からなくなる」ことがあるのです。
例えば、とある制作物があったとして、営業・クライアントを経て戻ってきた時に「なぜこのようなフィードバックになったのか」という理由がものすごくフワッとした説明で返ってくることがあります。
そういう時は大抵、”わたし”主体の案に大きくダメ出しをされた時だったりするのですが、優しいディレクターなので、そこを超絶ふんわりと傷つけないよう全力で努力してくれるのです。
ありがたいですが、非常にやりづらいですね。
どう向き合えば良いのか
「優しいディレクター」と何度も呼ばせてもらいましたが、つまりみなさんとても良い人なのです。
良い人なので、こちらもうっかり相手の”良い人目線”に飲まれてしまいがちですが、絶対に目的を見誤ってはいけません。これは私自身の自戒の念も込められています。
毅然とした態度で、相手の「良い人ループ」の深みに巻かれないよう己を律することが大事です。
このようなディレクターに遭遇したことのある人、またはご自身がディレクターだという人。
そんな書いている私も含め、まあみんないろんな人と関わって仕事をしています。
ひとつだけ言えることは、それが良い人でも悪い人でもいいのですが、つまり「目的をしっかり言語化し他人に伝える努力」を怠った仕事は、大抵うまくいかないということですね。