2017年に日本で公開された映画「勝手にベスト10」

加藤広大 加藤広大


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出典:IMDb

2017年も終わり2018年になったということで、今回は非常にありがちでやりがちな「2017年公開映画ベスト10」を、勝手に発表していくスタイルでコラムを進めていこうと思う。

最初に、タイトルだけさらっと並べておく。

2017年に日本で公開された映画「勝手にベスト10」

1. 「ありがとう、トニ・エルドマン」
2. 「お嬢さん」
3. 「メッセージ」
4. 「わたしは、ダニエル・ブレイク」
5. 「哭声/コクソン」
6. 「ベイビー・ドライバー」
7. 「ドリーム」
8. 「パターソン」
9. 「オン・ザ・ミルキーロード」
10.「T2 トレインスポッティング」

以下、既に結果は発表されているというのに、勿体ぶって10位から書いていく。

10.T2 トレインスポッティング

Reference:YouTube

どんな映画でもそうなのだが、ダニー・ボイルの作品は特に「いつ、どんな状況で観たか」が重要で、評価の分かれ目になる気がする。これは「いつ、どんな状況で観るか」も同じである。

「T2 トレインスポッティング」は、90年代中盤〜後半を彩ったお洒落映画の金字塔にして、ポストカードを購入し、結局あれは何だったんだ? と今や疑問にすら感じるビニールのポケットが沢山ついた壁にかける某に入れ、部屋でチャンダンを焚くキッズ達を量産した「トレインスポッティング」の続編であり、時代設定は1996年から20年後の現在にスライドしている。

つまり、当時映画を観た人にとっては、レントン(ユアン・マクレガー)やベグビー(ロバート・カーライル)達とともに、20年分の歳をとった状況で映画を観られるのだ。この条件に合致する人であればスムーズに感情移入できるが、そうでない人には、おそらくまったく響かない可能性が高い作品でもある。

10位に入っているくらいなのだからして、当然私は前者であり、過去に拘泥し、記憶という名のドラッグを過剰摂取しながら駆動する「どうしようもないやつら」の「20年経ってもまだやってんのか」というストーリーはその日暮らしの自分には他人事ではなく、身につまされる。出来としては決して完璧だとは言えない作品ではあるのだが、思い出補正があってのランクインとなった。

9.オン・ザ・ミルキーロード

Reference:YouTube

本作は「エミール・クストリッツァの映画である」としか言いようが無い。

冒頭、土造りの街を行進するガチョウの群れ、ほふられる豚、バスタブに入れられた血液、鳥たちはそこに飛び込み血を浴びる、まだらな赤茶色に染めあげられた羽を纏いながら、まとわりつくハエをついばみ、食う。その土着ながら寓話的な色彩感覚を見るだけでファンとしては満足なのだが、クストリッツァ節は加速度を増し「オン・ザ・ミルキーロード」の世界は、画家が絵を描き上げるかのように拡大していく。

今年も多くの「戦争もの映画」が製作されたが、クストリッツァ自身の中にある「戦争」はいずれとも異なる。主人公のコスタ(エミール・クストリッツァ)は毎日ロバに跨り、傘をさして銃弾飛び交う最前線にミルクを届けに行く。三つの実話に基づき、多くの寓話を紡いだ物語は、現実と幻想、滑稽と神聖を縦横無尽に行き来し、時に撹拌される。

と、クストリッツァ好きであれば文句無しの作品であり「撮ってくれてありがとうございます」感はもちろんだが、特にコスタが忘れたミルクをガッパンガッパンこぼしながら牛乳まみれで走ってくるモニカ・ベルッチ(欲情必至)を撮ったことにより高得点を叩き出し見事ランクイン。

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