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Netflixで見つけたB級映画というよりC級映画3選

加藤広大 加藤広大


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今週のコラムでは、Netflixで見つけたB級映画を紹介させていただく。そのなかでも、「いくら見放題とて鑑賞後にとてつもない後悔を抱いてしまいそうな」作品をセレクトしてみた。

ときに、B級映画というと語弊があるので少々補足するが、簡単な定義は以前公開された「【真面目からおバカまで】おすすめB級映画10選」に書いたので参照されたい。

当該記事でのB級は褒め言葉となっているが、本コラムでは「どうしようもない」的な意味で使用させていただく。それでは早速本編をどうぞ。

.1.ほぼ300(Meet the Spartans)

辛口映画批評サイト「ロッテン・トマト」で驚愕の2%を叩き出し、ゴールデンラズベリー賞で5部門にノミネートされた快作。日本では劇場未公開。心の底から公開しなくて良かったと思う。予告編は以下。

Reference:YouTube

タイトルからお察しのとおり、本作はザック・スナイダー監督の「300 〈スリーハンドレッド〉」を下地にしている。作品名を並べるのも申し訳ないのだが、「シュレック」や「ハッピー フィート」から「アメリカン・アイドル」まで、映画やテレビ番組からの雑なパクリに終止する。

特に「ハッピー フィート」を剽窃ひょうせつしたシーンは噴飯ふんぱん物で、噴き出した後の飯を無理矢理口に詰め込まれているような気分になるのだからたまらない。原作ファンからすれば画面を叩き割るか、口角泡を飛ばしてキレるか、余りの稚拙さに卒倒するか、あるいはすべての症状が同時に発症してしまうだろう。

取り敢えず「セレブを揶揄しとけば面白いだろ」という安易なパリス・ヒルトン、ブリトニー・スピアーズへのディスにもまったくセンスを感じられず、むしろ「センスが無い」というセンスが光る。観ているだけで「俺は今一体何をしているんだろう」と疑問を感じてしまうが、一方では「思わずちょっと笑ってしまった自分にキレる」という摩訶不思議な体験が可能であり、その点は評価できる。

主演のレオニダス役であるショーン・マグワイア、隊長役のケヴィン・ソーボなどが見せる引き締まった肉体美は素晴らしく、監督/脚本のジェイソン・フリードバーグとアーロン・セルツァーは「最終絶叫計画」シリーズの脚本チームでもあり、シリーズの常連であるカルメン・エレクトラも出演させ、パロディー映画の入れ子構造になっているなど、見所が無いわけではない。更には一部セットが良く作り込まれていたり、演劇の手法を取り入れたりもするが、その少しばかりの良い仕事が鑑賞者の苛立ちを加速させる。

「ほぼ300」という燦然と輝く邦題も脱力感に溢れ、やる気の無さを感じさせる。おそらく好きな人は大好き、という作品であろう。ハマる人はハマると思う。しかし、単純に好みだけでは区切れない、どこか業を感じる作品である。

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