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締切を好きになるために擬人化してみたらどうなるのか

加藤広大 加藤広大


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「〆コレ」という提案

今ここに、納期の違う締切ガールたちと繰り広げる恋愛ブラウザゲーム「〆コレ」が爆誕した。

締切ガールたちはチラシや原稿などの納品物としての属性が付けられており、納期の長さも設定されている。納期に向かって作業を進めつつ、締切ガールたちの好感度を上げ、最終的には告白されることを目的として攻略していく。R(レア)の締切ガールは比較的攻略が容易であるが、SR(スーパーレア)になるとマジでヤバい。

仕事を進めていけば締切ガールの高感度は上昇し、頬が赤くなったり一緒に帰ろうよと誘って来たりするし、デートの待ち合わせには早めに到着していたりする。可愛い。もちろん、締切ガールであるので、「一緒に頑張ろうよ!」「私のために頑張りなさい」「ふぇぇ・・・頑張ってぇ・・・・」と、仕事の応援もしてくれる。

作業を進めずにいると、ふてくされて好感度が下がってしまうので、仕事と遊びの匙加減を調節するテクニックも求められる。ここがなかなか難しい。

しかし、本作は他のゲームと一線を画す。納品が終わるとエンディングがはじまり、主題歌である『可愛いだけじゃ納期は守れない』が流れるなか、感動の告白シーンとなるが、最後に待っているのは締切ガールとの別れである。一緒に暮らしてきた彼女と別れなければいけない。締切ある納品物はやがて手を離れるものであり、決して2人は幸せになることができないという、予め約束されている絶望が涙を誘う。

別れを回避する方法は無いが、仕事を終わらせなければ関係を長く続けることもできる。しかし、締切ガールの最大の目的は主人公に締切どおりに納品をさせることであり、履行りこうできなければ親的存在のクライアントに連れ去られてしまう。

もちろん、理不尽な修正などを要求してくるクライアントに対抗するために、納期を延ばす課金アイテムも存在しており、これを使って延命し続けることは可能である。が、現状維持に何の意味があるというのだろうか。別れはいつか必ずやってくる。その覆せない現実があるからこそ、人生は輝くのである。

けれども辛い。何度もシミュレーションしたが、やはり締切ガールたちとの別れは辛すぎる。焦燥感で仕事ができなくなってしまう可能性すらある。締切を好きになる前に私の胸が張り裂けそうだ。

街角のクリエイティブ ロゴ


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