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新作「カフェ・ソサエティ」がダメで、旧作「ローマでアモーレ」がいい理由

シーズン野田 シーズン野田


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ここ数年で一番笑った映画

自分が圧倒的に刺さったのが①のエピソード。

老いぼれオペラ監督としてウディ・アレンが出演しているパートなのですが、これが本当に面白かった。映画でこんなに笑ったことはほとんどありません!! 「大日本人」以来の爆笑です!!! 悔しさもなく、シャワーを浴びた時のような爽快感さすらありました。劇中でもシャワーを浴びまくっているからかもしれませんが。

まさかこうならないよな・・・・・・そっちにいかないよな・・・・・・と思った方に話が進み、本当にやりやがった! という面白さがこみ上げてきます。それに対してみんながひどく真面目なのも笑えます。ウディ・アレンの映画には意外にも明らかなウケ狙いが少なく、だから品性を感じるのでしょう。まぁこれに関しては実際に観ていただきたいので、深くは触れません。

そして、何と言ってもウディ・アレンのパートだから、面白いのだと思います。

葬儀屋をモチーフに出し、自虐を交えながらまだ死なないと意気込むオペラ監督のジェリーは、ウディ・アレンそのものです。本人の口から本人の思ったことを言っているので、ウディ・アレンが突出して輝いて見えるのは自明なんですね。

だからやっぱり、ウディ・アレンの映画にウディ・アレンが出てないと物足りなく感じてしまう。そもそも役者のウディ・アレンが拝めるのも、彼の映画ならではの醍醐味なのです。ウディ・アレンというソフトは、ウディ・アレンというハードでしか動かない。まるでマリオと任天堂の関係です。

新作の「カフェ・ソサエティ」は、「ローマでアモーレ」にも登場したマーク・ザッカーバーグが主演なのですが(いい加減誰かつっこんで)、彼を見るんだったソーシャルネットワークで十分です。ファイナルファンタジーが任天堂のハードでやれなくても構いません。

ということで、マイルドヤンキーの皆さん、彼の魅力を分かっていただけましたでしょうか。とても個人的に語ってしまいましたので、全く伝わってないと思います。

最後にダメ元でひとつ。ウディ・アレンって、1年に一回映画を撮っているんですね。自分が出て、自分で撮って、凄まじい更新頻度です。これって何か思い出しませんか? そうです。あなたたちが見ているユーチューバーです。おそらく、ウディ・アレンが現代を生きる若者だったらユーチューバーになって成功を収めていたことでしょう。

ウディ・アレンは現代を生きるユーチューバーのロールモデルだったのではないか、と思えば少しはウディ・アレンに親近感を持っていただけるのではないかと思います。

スタッフの皆さん、お疲れ様です。

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