これは監督の「最後に死んでいたみたいのはやめてくれよな!」という意向から実現したものなのですが、書き手の自分としてはかなりの難題でした。登場人物たちが自らの死を自覚した瞬間、物語が止まってしまったのです。
だって普通は自分が死んでいることに気がついたら成仏するじゃん!? しない? 俺だったら成仏するなぁ。生きてても成仏したいくらいだからね。
その辺の苦労も見ていただけたら幸いです。
映画作りは本当に大変で、途中で死にたいと何回も思いました。というか死にかけました。こんな経験をすると、みんなこれ以上に大変な思いをして作っているのだなぁと、気が引き締まります。駄作ですらただならぬ苦労がそこにあるはず。自分で撮ってみると、気持ちが分かってしまうからこそ、無責任な酷評は逆にできません。その上での罵詈雑言は激励であり、愛だと思います。
まぁ今作は監督の編集力でなんとか奇跡的に形になったという作品ではありますが、もし文句があるっていうのなら自分で撮ってみろよ! ・・・と、これに関しては思いません。ただ、もっといい作品を撮りたいと思うかな。俺レベルになるとね。
しかし、かつて北野武が桑田佳祐の処女作を酷評した際に「だったらお前が撮ってみろよ」言われて誕生した「あの夏いちばん静かな海」が大傑作だったことを踏まえると、焚きつけるってのもまた手だよなと思います。これほどかっこいいことないよね。
ということで「テラーオブハウス」略して「テラハ」をよろしくお願いします。