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『すばらしい新世界』『1984年』、そして『消滅世界』

岡田麻沙 岡田麻沙


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2016年上半期、村田沙耶香が第155回芥川賞を受賞した。当該作『コンビニ人間』(2016年、文藝春秋)は、選考委員である山田詠美の「候補作を読んで笑ったのは初めて」という肯定的なコメントをはじめとし、多方面で高い評価を得ている。そんな時の人である著者、村田沙耶香の名でグーグル検索をかけると、「可愛い」というワードがちらほらと表示されるが、それに紛れて、なにやら不穏な単語が顔を出す。それは、「クレイジー」

そう、村田沙耶香はクレイジーだ。『コンビニ人間』でもその不気味さは遺憾なく発揮されているが、作家仲間から「クレイジー沙耶香」とまで称されるという村田沙耶香作品の真骨頂を味わいたければ、『コンビニ人間』の1つ前の作品『消滅世界』(2015年、河出書房新社)を読み逃してはならない。ていうか読んで。マジ狂ってるからこれ

村田沙耶香の他の作品、例えば、10人産んだら1人殺していいという設定の『殺人出産』(2014年、講談社)もモチロンぶっ飛んでいるし、衝撃的な結末を迎える物語『タダイマトビラ』(2012年、新潮社)だって魅力的だ。でもやっぱりクレイジーさで言えば『消滅世界』が群を抜いている。

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