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小説の中で登場した名言フレーズ10選

加藤広大 加藤広大


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タイトルそのままですので特にリードに書くことがなく、現在非常に困っているのですが、今回は「小説の中でグッときたフレーズ」をご紹介する企画です。

小説に限らずとも、映画の台詞や音楽の歌詞で忘れられない、思わず口ずさんでしまうような大好きなフレーズ、みなさんにもありますよね? 私もたくさんあります。

ちなみに本稿、当初は「小説に出てくる愛のフレーズ」という話として編集部よりご提案いただいたものだったのですが、実は私、恋愛小説を読むと主人公に嫉妬して、羨ましがって足をバタバタさせながら発狂した後、しゅわしゅわ溶けてしまって死ぬ。という病にかかっておりまして、恋愛小説、または恋愛をメインとした小説をほとんど読んだことがありません。さすがにまだ死ぬのは嫌なのですが、同時に原稿も書かなければ社会的に死にます

そんなわけで以下、私が大好きな小説の中から、グッと来たフレーズを抜粋してご紹介させていただきます。

1. 『今夜、すべてのバーで』中島らも(1991年)/講談社文庫

もうすぐバーの後ろ壁にゴンと頭をぶつけるにちがいない。昔、酔っ払ってよくやったように。
『今夜、すべてのバーで』より

中島らもが著したアル中小説。『今夜、すべてのバーで』のフレーズです。私、恥ずかしながらこの文章が出てきた瞬間に、スローモーションで情景が浮かび、なぜか涙が溢れて来て止まりませんでした。その光景が繰り広げられる店の照明の塩梅、カウンターの長さ・素材、バックバーの雰囲気、置いてあるお酒の種類、その他の調度品、椅子の高さ、なんなら便所の位置まで、映画よりも鮮明に浮かんでしまったんですね。

酒飲みならば誰しもが身につまされるような話の連続で、病院を舞台にしていることもあり、よくよく考えればテーマも非常に重たいものです。しかし本当に辛い思いをした人が、「こんなことがあってさあ」と、その思い出について誰かに面白おかしく話すように、中島らも節が暗くなることを許しません。でも、それゆえにどこか哀しみを感じさせるのです。未読の人が羨ましいです。お酒好きはぜひとも、読んでみてください。

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